フリーランスとして活動していても、案件の種類や立場は実に多様です。
私はあえて「やらない案件」を決めることで、自分の立場を差別化してきました。
特に私の場合は、事業会社の立場でプロジェクトを推進するポジションに集中することで、他のフリーランスPMOとは違う強みを作ってきました。
この記事では、私が避けてきた案件、選んできた案件、そしてその結果どのような効果があったのかを整理します。
目次
私が「やらない案件」とその理由

フリーランスPMOには「ベンダーやコンサルの下で動く案件」も多く存在します。
私は意識的にこれを避けてきました。理由は大きく3つあります。
- 自分でコントロールできる範囲が狭い
ベンダーやコンサルの指揮下で動くと、基本的に「決められたタスクをこなす」役割になりがちだと思います。
工夫や提案の余地は限られ、主体性を発揮しにくいと感じました。 - 成果の評価軸が限定的
成果がベンダー寄り、コンサル寄りの物差しで測られがちで、事業会社の本来の目的や現場の課題解決とはズレることが多いのです。そのため「事業側のための本質的な成果」を出すことが難しいと感じます。 - 長期的なスキル形成やポジショニングにつながりにくい
指示の範囲内でしか仕事ができないため、自分の強みを活かしにくく、「替えの利く人材」になってしまいます。これは独立後のキャリア戦略として大きなリスクだと考えました。
私が選ぶ案件とその理由

一方で、私は事業会社側でプロジェクトを推進する立場の案件を中心に選んできました。
- 意思決定や社内調整に関われる
プロジェクトの方向性や優先順位の決定に直接関わる案件を選ぶことができます。
これは、表面的なタスク管理ではなく、プロジェクトを「どう成功させるか」に深くコミットできる立場です。 - ビジネス目線でITを推進できる
ITプロジェクトはシステム導入だけが目的ではなく、最終的には事業成果につながることがゴールです。
事業会社側にいることで、ITシステムを「目的達成の手段」として推進できるのが大きな魅力でした。 - 事業会社出身ならではの理解
私自身、事業会社のIT部門に在籍していた経験が多くあります。
そのため、現場の課題感や組織の空気感を理解しやすく、ユーザー側の立場で動くことに強みがあります。
ここが、コンサルやベンダー出身の人と明確に差別化できるポイントだと考えています。
やらない案件を決めることによる差別化が生んだ効果

この選択の積み重ねが、私のフリーランスとしての安定につながっています。
- 案件の継続率が高まった
事業会社の視点で動くことに価値を感じてもらい、「次のフェーズも一緒にやってほしい」と声をかけてもらうことも多くあります。 - 希少性が紹介につながった
「事業会社側で動けるフリーランス」という存在は多くはいません。
案件自体も多くはありませんが、エージェントには希少なフリーランスとして、案件を紹介いただけることが多いです。 - 単価を交渉しやすい
単なるタスク管理役ではなく、事業会社側の立場で推進できることは、単価を正当化する理由にもなります。
結果として、案件を選ぶ余裕が生まれ、さらに自分の強みに合った仕事を積み重ねられています。
まとめ

フリーランスは「何ができるか」だけでなく、「どこで戦うか」「どこで戦わないか」を決めることで差別化できます。
私の場合は、事業会社の立場で動くことを徹底するという軸を持つことで、案件の安定・継続・信頼につながりました。
フリーランスは弱肉強食の世界ですが、むやみに競争に巻き込まれる必要はありません。
自分の経験や強みを活かせる「立ち位置」を選ぶことこそ、差別化の第一歩だと考えています。
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