フリーランスや個人事業主として働いていると、「理不尽なクライアント」とのやり取りにストレスを感じることもあると思います。
「お金を払っている側だから言うことを聞け」と圧力をかけてくる人、不機嫌になると業務連絡を遮断する人、感情的に対応してくる担当者…。
こうした相手に振り回されると、仕事のモチベーションが低下し、精神的な負担も増えてしまいます。
私もこのような経験がありますが、会社員とは異なり、フリーランスには「付き合う相手を選ぶ自由」があります。
(もちろん、同時に責任も負うことになるのですが。)
本記事では、「理不尽なクライアントとどう向き合うべきか?」を整理し、ストレスを最小限にしながら、気持ちよく仕事を続けるための戦略 を、私の実体験を交えながら、紹介させていただきます。
理不尽なクライアントの特徴と見極め方

理不尽なクライアントには、以下のような特徴があると考えています。
ちなみに私が参加していた案件で、他の関係者からは評価は頂けていたものの、1人だけ社内でも浮いているタイプの方で、下記のすべてのタイプを網羅した猛者(笑)がいて、組織としての対応を求めましたが、組織としても手を焼いているようで対応いただくのが難しく、案件の契約を解除したことがあります。
よくある「理不尽なクライアント」のパターン
タイプ | 特徴例 | 問題点 |
---|---|---|
発注者優位のマインドタイプ | 「お金を払ってるんだから言うことを聞け」などという態度 | 対等な関係を築くことが難しく、理不尽な要求を押し付けられる |
感情での対応先行タイプ | 契約内容や態度が気に入らないと不機嫌になり、業務連絡を遮断するなど | 仕事が進まなくなる |
契約軽視タイプ | 契約で規定された業務範囲を無視し、追加作業を然るべきルートを介さずに強要するなど | 無駄な労力が増える |
圧力型の交渉タイプ | クライアントの方が優位であるということを示すため、会議から除外する、情報共有を拒否するなど | 情報が入らず、仕事に支障が出る |
このようなクライアントと仕事をすると、精神的な負担が大きくなるだけでなく、業務遂行にも影響が出ます。
では、こうした相手と関わらないためにはどうすればいいのでしょうか?
理不尽なクライアントと仕事をしないための戦略
何度も申し上げますが、フリーランスには 「付き合う相手を選ぶ自由」 があります。
以下の戦略を活用することで、理不尽なクライアントを事前に避けることができる可能性があります。
(1) 仕事の「選択基準」を明確にする
- どんなクライアントと仕事をしたいか?
- どんなクライアントとは絶対に仕事をしたくないか?
- 気持ちよく仕事ができる条件は何か?
(2) 仕事を断れる余裕を持つ
- 複数の収入源を作り、嫌なクライアントを切れる状況を作る
- エージェントと良好な関係を築いておき、別案件の紹介を貰えるようにする
- エージェント案件だけに依存しない。直接契約や他の収益源を確保する
(3) 「クライアントを選ぶ目」を鍛える
危険なクライアントの特徴を把握し、最初の打ち合わせで見極める。
- 発注者優位の考え方が強くないか
- 人の話を聞かない、感情的な対応がないかなど、コミュニケーションコストが高くないか
- 契約内容を把握しているか、もしくは把握していなくても柔軟な対応が可能そうか
- 株式投資と同様に、会社の業績が悪くないか、今後の業績見通しをチェックする
(=業績が悪い会社は、経験則的に、要望が細かくなったり、高くなったりするので、業績が悪い時点で要警戒)
どうしても避けられない場合のストレス回避策



「今すぐクライアントを変えられない」場合、以下の対策でストレスを軽減できる可能性があります。
(1) エージェントを介して対応する
感情的なクライアントには、直接やり取りせず、エージェントを通じて交渉する。
例:
「業務範囲の調整が必要なため、エージェントと相談のうえ、進めさせていただきます。」
(2) 必要最小限のコミュニケーションに絞る
- 感情的なやり取りを避け、業務連絡だけに徹する。
(= 感情に振り回されず、冷静に事実ベースで対応する) - 無駄な会話を減らし、効率的に進める工夫をする。
(3) 「フェードアウト」の準備をする
- 今は必要な案件でも、少しずつ依存度を減らしていく。
- 別の収益源やクライアントを増やし、徐々に移行する。
- 契約内容を確認し、契約解除に向けた準備やステップを確認する。
やむを得ず契約解除を申し入れた際、改善提案された場合の対応



上記の対策を講じても効果が無い場合、最終手段として契約解除の必要があると考えています。
しかし、契約解除を申し入れた際、クライアントから「改善していきたい」と提案されることがあります。
この場合、感情的に即座に断るのではなく、冷静に対応し、改善が現実的かどうかを判断することが必要です。
よくある状況
クライアントから改善提案された際には、以下のような状況が考えられますが、改善提案が本当に実行可能かどうか、慎重に見極めることが必要です。
状況 | クライアントの意図 | 問題点 |
---|---|---|
改善を誠実に検討している | 問題点を認識し、解決に取り組もうとしている (できるかできないかは置いておいて) | 実行が遅れたり、形だけの改善に終わる可能性がある |
時間稼ぎのための提案 | 解決よりも契約維持が目的 | 実質的な進展がないまま、業務が停滞するリスク |
担当者レベルの提案 | 個人が努力して解決を試みている | 組織としての対応がなされず、根本的な解決にならない |
対応のポイント
(1)改善を求める際は「組織としての対応」を要求する
問題が組織全体に起因する場合、個人の努力だけでは解決が困難です。
この場合は、クライアント組織全体での対応を求める必要があります。
例:
「今回の課題は組織全体で取り組むべき内容と考えております。
コンプライアンス部門や関連部署から具体的な改善案をいただき、進捗状況を適宜ご報告いただけますでしょうか。」
➡ 組織的な対応を要求することで、改善が形式的なものに終わらないようにする。
(2)改善の内容を具体的に確認する
改善案が提示された場合、以下のポイントを確認する必要があります。
- 改善内容は具体的か?(例:コミュニケーションの頻度、情報共有の方法)
- 実行可能なスケジュールが提示されているか?
- 進捗を確認する仕組みが明示されているか?
➡ 具体性がない場合、改善が実行されない可能性が高いため注意が必要です。
(3)改善を見守る期間を設定する
クライアントが誠実に改善を試みる姿勢を見せている場合、一定期間見守ることを提案するのも一つの方法です。
例:
「具体的な改善案をもとに進めていただき、〇週間後に進捗状況をご報告いただけますか?
その結果を踏まえ、今後の対応を検討させていただきたいと考えております。」
➡ 期限を設けることで、改善の進捗状況を把握しやすくする。
(4)改善が見られない場合は契約解除を進める
改善が実行されない、または不十分である場合、契約解除を進める判断が妥当です。
その際も、感情的にならず、冷静に対応しましょう。
例:
「ご提案いただいた改善案について拝見しましたが、十分な進展が見られないため、
業務継続が困難と判断いたしました。契約解除の手続きを進めさせていただきます。」
➡ 改善の結果を評価し、合理的な判断を下す。
注意点
- 改善案の具体性と実行可能性を重視する
- 感情的な対応ではなく、論理的に問題解決を進める
- 必要に応じてエージェントや第三者に相談する
長期的に「気持ちよく仕事ができる環境」を作る方法



最終的には、「ストレスのない働き方」を実現することが重要です。
(1) 良いクライアントとの関係を大切にする
- 「この人と仕事をしたい」と思えるクライアントと長く付き合う
- 信頼できるクライアントを増やし、安定的な案件を確保する
(2) 自分の価値を高める
- 「この人にお願いしたい」と思われるようなスキル・実績を積む
- 高単価の案件を狙い、少ないクライアントで収入を確保する
(3) 「理不尽なクライアントと関わらない仕組み」を作る
- クライアントのフィルタリングを徹底する
(会社の業績、契約担当者との面談、エージェントの対応など) - 「仕事を選べる環境」を作り、嫌な案件を断れる状態を維持する
まとめ
✅ 理不尽なクライアントとは無理に戦う必要はなく、「最初から関わらない」戦略が重要。
✅ 良いクライアントを見極めるスキルを身に付ける。
✅ 仕事を断る余裕を持ち、複数の収益源を確保することで、自由度を高める。
✅ どうしても避けられない場合は、エージェントを介し、最小限のコミュニケーションに絞る。
✅ 長期的には「良いクライアントとの関係を大切にする」ことで、気持ちよく働ける環境を作る。
理不尽なクライアントに振り回されず、自分にとって最適な働き方を設計していきましょう!
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